ドラマROME[ローマ]後編 第4話執念

ごきげんよう。 ドラマROME[ローマ]後編 第4話執念アティアとセルウィリアアントニウス軍とオクタヴィアヌス連合軍アントニウスとヴォレヌスヴォレヌスの家族救出アグリッパとオクタヴィアオクタヴィアヌスの変貌 アティアとセルウィリア 女同士の恨み辛みを暗殺や暴力を伴って描くとどうなるか。それの実行役がどうなるかを判りやすく描いたといえる。まぁロクなものではないと強調され続けている。実行役がユダヤ人というちょっとしたスパイスを利かせている。この時代のユダヤ人はカエサルが保護政策をとっていたことでかなり真面な扱いだったはずだ。そのおかげかローマ人と変わらない描写となっているのだろう。キリスト以前の話なのでキリスト教との軋轢なども無い時代で、ユダヤ人は掘り下げるほどのテーマでもないだろうから、本当にスパイス程度だ。 アントニウス軍とオクタヴィアヌス連合軍 戦闘シーンは始める前と終わった後だけ描く手法となっているので、戦いも終わった後の被害報告となっている。史実では、ブルートゥスがアントニウスに包囲されているところをオクタヴィアヌス連合軍がアントニウスに攻撃したことで包囲どころではなくなり戦闘となってアントニウス軍が敗北している。オクタヴィアヌス連合軍で当時の執政官二人であるヒルティウスとパンサが戦死している点は重要だ。劇中でも都合が良いと言われているが、それは次の執政官が必要になったと言う事であり、それはオクタヴィアヌスを置いて他にいないという事だ。 アントニウスとヴォレヌス ア…

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ドラマROME[ローマ]後編 第3話キケロの提案書

ごきげんよう。 HBO制作ドラマROME[ローマ]後編 第3話 キケロの提案書ヴォレヌスとプッロオクタヴィアヌスとアグリッパアティアとオクタヴィアブルートゥスとカッシアスキケロとアントニウス絶望と希望中だるみ ヴォレヌスとプッロ 開き直って危なっかしいままのヴォレヌスとそれを何とか支えようとするプッロ。その関係はヴォレヌスの悲哀が解消されていない点で破綻することが予定されていたと言えなくもない。ヴォレヌスが杓子定規の裁定を行うことを強行することで破綻は目に見える形になった。ヴォレヌスは下士官としては有能でも、それ以外では有能とは言い難いという最初からの設定がここでも当て嵌めらえている。一方でプッロは酒が入っていない素面では揉め事を上手く治めることが出来るという設定がここでも当て嵌めらている。その違いは噛み合えば良い結果を生み、噛み合わなければ悲劇となる。 オクタヴィアヌスとアグリッパ オクタヴィアヌスは未登場でアグリッパが初登場となった。アグリッパは軽い顔見世程度だったので、今後の活躍が期待されるところだ。 アティアとオクタヴィア 娘であるオクタヴィアには役割が残っているが、アティアは既に役割を終えた感がある。それでも退場はしていないので出番はあるが、重要性はダダ下がりで、娘と息子の添え物以上の価値が見えない状態になっている。あとはどう退場するか、ということになるだろう。 ブルートゥスとカッシアス 暗殺犯グループのその後。順調とは言えない状況を判りやすく示している…

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ドラマROME[ローマ]後編 第2話 表と裏

ごきげんよう。 HBO制作ドラマROME[ローマ]後編 第2話 表と裏第2話 表と裏アントニウスクレオパトラヴォレヌスオクタヴィアヌス 第2話 表と裏 歴史に残る表と残らない裏。カエサル亡き後の混乱のローマとヴォレヌスの悲哀がどの様に推移していくのか。 アントニウス 執政官として実質的にローマを治めているはずの最高権力者。政敵であるブルートゥスをローマの外に排除して勝利を手にしているはずが、平時の政治には全く無関心で向いていないことが端々から明らかにされていくのは、上手くアントニウスを表現できていると思う。政治家になれない、軍人であることが示されていることがわかるのは脚本が優秀だからだろう。 クレオパトラ 史実ではカエサル暗殺時にローマに滞在していたが、ドラマでは訃報を聞いてローマに駆け付けた形を取っている。そちらのほうがより物語としては都合が良いので、脚本は頑張ったと思う。登場する場面は全てアントニウスと絡むので、今後の関係の発展を見届けていきたい。また悲劇のカエサリオンも登場しているが、本作ではプッロの子となっており、どう転んでも悪い予感しかしないことに暗い期待が高まる。 ヴォレヌス ヴォレヌスが一か月の間、弔うでもなく、悼むでもなく、茫然自失で喪に服している様は痛々しい。共に居るプッロがお手上げになっているのが以前の関係の裏返しで心を打つ。解決策を軍人であったことに見出したのは良かったと思う。結果として軍人からは程遠い裏へ行き、開き直ってしまうのは危なっかし…

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ドラマROME[ローマ]後編 第1話 遺言

ごきげんよう。 HBO制作ドラマROME[ローマ]後編 第1話 遺言第1話 遺言カエサルの後継者ブルトゥスアントニウスヴォレヌスの悲哀クレオパトラ 第1話 遺言 前編の第12話 カエサル暗殺の直後から。暗殺の場面は嫌いなのは前回も言った通り。その直後からなので気が滅入るのは仕方が無い。判っている悲劇と悲哀を見始めるのをかなり躊躇していたが、踏ん切りをつけた。 カエサルの後継者 正式にオクタヴィアヌスがカエサルの後継者となった場面だ。非常に重要で意義のある場面なのだが、これが有効に機能してくるのはまだ先だ。ドラマの中でもオクタヴィアヌス以外に託せる人物が登場していないからすんなりと受け入れられる。史実では財産はローマ市民に全て与えるので、財産は残さず政治的な後継者指名の遺言なのだが、ドラマでは財産も残る様に改変し、遺言の価値を高める方向に修正している。 ブルトゥス 悪人にも偉人にもなれないブルトゥスはカエサルの葬儀と妥協に同意し、例の演説で民衆からは支持を得らない。暗殺後のビジョンの無さと民衆への無理解と大きな躊躇が如実に描かれた場面だろう。史実ではキンナがカエサル攻撃の演説を始めて民衆から怒りを買うが、ドラマではアントニウスの演説で流れを変えるという描写に変えられているが、妥当な所だろう。 アントニウス アントニウスは軍事とセックスばかりで政治向きではないのは史実でもドラマでも示され続けている。しかし今回に限っては政治的に上手く立ち回る。その筋書きはオクタヴィアヌ…

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紺田照の合法レシピの実写ドラマを観た

ごきげんよう。 紺田照の合法レシピの実写ドラマを観た漫画版紺田照の合法レシピ実写ドラマ紺田照の合法レシピを観た紺田照役ははまり役ジャンルは極道3、恋愛1、料理6コミカルな料理ドラマ残念な各話のオープニングとエンディングメイキング集はおすすめお気に入り合法レシピ 漫画版紺田照の合法レシピ 以前に紺田照の合法レシピ1巻を読んだで漫画版を紹介した。 今回はアマゾンプライムで実写ドラマ化された紺田照の合法レシピを紹介したい。 まお、漫画版をまだ読んでいない方はこの機会に改めて進めておきたい。セット本があるのでそちらを勧めておく。 セット本キャンペーン開催中で通常の付与ポイントに加え+3%ポイントが追加されるので、若干お得かもしれない。 実写ドラマ紺田照の合法レシピを観た 実写ドラマ化された紺田照の合法レシピは全10回で終わっている。 ここでは1回ごとの個別にではなく、全体的な感想を述べたいと思う。 紺田照役ははまり役 原作漫画での紺田照は無表情で無感動な有能な極道で学生なので、実写でどうするのかと思っていたが、適役がいたものだと感心したものだ。原作の紺田照は極道に寄せられすぎて学生には見えないのが、主演の竜星涼は原作よりもマイルドで学生に寄せられた印象になったのは良い点だろう。 ジャンルは極道3、恋愛1、料理6 極道はシリアスでも笑いが取れるのが良い。笑いも意識して配役ややりとりも工夫しているのが窺える。ガチのヤクザという演技ではないナンチャッ…

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ドラマROME[ローマ]第12話 カエサル暗殺

ごきげんよう。 HBO制作ドラマROME[ローマ]第12話 カエサル暗殺第12話 カエサル暗殺プッロとヴォレヌス元老院議員ヴォレヌス巡り巡った不貞の事実暗殺終わりと始まり 第12話 カエサル暗殺 カエサルは紀元前44年3月15日に暗殺された、と詳細に記録が残っている。 カエサルの物語は好きなのだが、正直な所、暗殺の場面は嫌いだ。好きなカエサルが理不尽で恥知らずな裏切りで殺されるからだ。ドラマROME[ローマ]をカエサル暗殺を前に見るのを止めていたのもそのためだ。しかし踏ん切りをつけた。 プッロとヴォレヌス 主人公として活躍してきて最後は死刑かと思ったプッロはやはりヴォレヌスに救われて前回は終わった。次が予想できなかったのだが、ローマ市民の人気を得て称えられるという状態になっていた。奴隷を殺したことによりプッロはヴォレヌスを袂を分かっていたが、それも元に戻った。観ていて気分が良くなる展開だ。ただヴォレヌスの所にはプッロが恋人を殺してしまった思い人エイレネがいるわけで。 元老院議員ヴォレヌス ヴォレヌスが元老院議員に。マジかと思った。と同時にカエサルならやりそうだとも思った。しかもその後に暗殺を警戒しての警護代わりにヴォレヌスをそばに置くという考えが示される。うまいやり方だとさらに感心する。脚本が優れていると分かる部分だ。 巡り巡った不貞の事実 当初からヴォレヌスの妻の不貞は物語で度々大きな問題として取り上げられてきた。その後は幸福な夫婦として扱われてきた。それらは…

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ドラマROME[ローマ]第11話 第十三軍団の栄光

ごきげんよう。 HBO制作ドラマROME[ローマ]第11話 第十三軍団の栄光第11話 第十三軍団の栄光堕ちた主人公プッロ第十三軍団への罵倒退役軍人への土地供与ブルートゥス闘技場 第11話 第十三軍団の栄光 第十三軍団といえばカエサルとともにガリアを闘い、ルビコン渡河をした軍団として記憶されている。軍団として栄光を語るならこの軍団だろう。 堕ちた主人公プッロ 本編の二人の主人公のうち、兵士プッロはどん底へ堕ちた生活から闘技場での極刑に至っている。一応弁護人有りの公開裁判の場面もあるが、さらりと有罪になっているあたり、事前の事実確認でほぼ決まる感じなのだろう。闘技場での極刑というのが実際に有ったのかわからない。これはさすがにドラマの演出だろうか。絵的に面白いし極刑でありながら生き延びるチャンスが与えられるというのは展開的にも求められるところだろう。 第十三軍団への罵倒 闘技場で処刑人兼剣闘士が第十三軍団への罵倒を公衆の面前で口にしているが、かなり違和感を感じる。第十三軍団が退役したものを含めてローマにいる設定のはずなのに命知らずにもほどがあるだろう。さらに戦歴を鑑みても罵倒する理由が思いつかない。結果も案の定なもの。さすがにご都合主義が過ぎないだろうか。 退役軍人への土地供与 パンノニアは現在のイタリアでもないのでローマからは当然離れている。パンノニアの当時の印象がどうだったのか多少興味はある。ドラマでの危険な辺境という所感通りだったのだろうか。また当時与えることが可…

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ドラマROME[ローマ]第10話 凱旋式

ごきげんよう。 HBO制作ドラマROME[ローマ]第10話 凱旋式第10話 凱旋式元老院女の争いポンペイウスの息子ヴェルチンジェトリクス赤で顔を塗ったカエサルヘタレなブルータス主人公の悲哀 第10話 凱旋式 ローマの英雄達が夢みる晴れ舞台。話に聞くのと実際に映像化したものとではインパクトが全く違う。 元老院 独裁官に10年就任。執政官が任期1年で二人体制、これ以前の独裁官は任期半年で一人体制の制度だということを踏まえれば破格過ぎる待遇だ。共和制の終焉を感じさせる機能不全に陥った元老院というものが描かれているのは痛々しくも納得のいく演出だ。 女の争い 陰湿で陰険な女の争い。いつの世も弱ると宗教に駆け込むことは変わらないというのも不変の法則か。 ポンペイウスの息子 歴史では役割を与えられていないポンペイウスの息子。ドラマでは早くから役目があるのは面白い。 ヴェルチンジェトリクス フランス最初の英雄ヴェルチンジェトリクスが「貴公の首は柱につるされるのがお似合いだ」を言葉のままに実行されている。実際には引き回しまでで、その後に密殺されたようだ。カエサルならガリアへの影響を当然考えるだろうから下手な刺激の仕方は避けたのも頷ける。その為、ドラマで明らかな悪手である凱旋式での「貴公の首は柱につるされるのがお似合いだ」実行には引っ掛かりを覚えてしまう。 赤で顔を塗ったカエサル 赤で顔を塗るのは実際に凱旋式でやったらしい。映像にされると印象が強くなるいい例ではないだ…

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ドラマROME[ローマ]第9話 陵辱

ごきげんよう。 HBO制作ドラマROME[ローマ]第9話 陵辱第9話 陵辱アフリカ戦役主人公らしい活躍オクタヴィアヌスの帰還陰湿さ 第9話 陵辱 女に恨まれないカエサル像を否定し、それを強烈に後押しするための補強回ともいえる。 アフリカ戦役 戦闘は省略していくスタイルなので、アフリカ戦役も当然カットで「来た見た勝った」も不発。カエサルの再登場はローマに戻ってからだ。メインは小カトーの自死を取り上げているが、ドラマとしての影響という意味では妥当だと思う。 主人公らしい活躍 ドラマの主役の元主席百人隊長ヴォレヌスの活躍が今回は大きい。暴力と理不尽が色濃いなかでの市民としての立ち回りは興味深い。その後にカエサルが絡む所ではさすがにカエサルの印象が強いが、兵士から政治家への転身は果たしてどうなるのかと吸い寄せられる。 オクタヴィアヌスの帰還 大人びた感じになっているのはすごい。カエサルから大神官に指名される場面も作られている。実際にはこの後の凱旋式もカエサルが大神官のままではあったが、ドラマ映えする非常に良い脚色だと思う。 陰湿さ 第8話とは打って変わり、女の陰湿さを幾つも盛大にブチ撒けてドロドロの惨状を展開している。直接的なやり様には時代を反映してと言えるだろうか。

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ドラマROME[ローマ]第8話 クレオパトラ

ごきげんよう。 HBO制作ドラマROME[ローマ]第8話 クレオパトラ第8話 クレオパトラポンペイウスの死最高神祇官カエサルエジプトの内乱への介入クレオパトラアレクサンドリア戦記アントニウス悲劇の子総評 第8話 クレオパトラ ローマの内乱は事実上終わった。カエサルはポンペイウスの身柄を押さえるためにエジプトへ到着した。 ポンペイウスの死 カエサルがポンペイウスの香油付の生首をみて、「ポンペイウスはローマの執政官だ、恥を知れ」と公憤を前面にだして怒ったのは非常に良い演出だ。カエサルには執政官としてポンペイウス殺害の罪状を糺す仕事が残っていることを明らかとしているからだ。私憤ではそうはならない。 なお、ポンペイウスの死について、カエサルが書き残したのは一行のみ「アレキサンドリアでポンペイウスの死を知った」 最高神祇官カエサル これまでカエサルは物語の主役ではなく偉い人扱いだったが、今回は間違いなく主役としてその存在をアピールしている。 ポンペイウスを弔うために、カエサルがトーガで頭を覆い最高神祇官として儀式をしながら涙するシーンはこれまでで最大の見せ場になったのではないだろうか。ポンペイウスを悪く言っていたカエサルが涙するのは違和感があるかもしれないが、ドラマの演出にもカエサルの娘でポンペイウスに嫁いだユリアの死去や二者会談を求めて拒否されるシーンがあるので、カエサルはポンペイウスを殺すつもりは無かったとの解釈でいいだろう。 エジプトの内乱への介入 少ない軍でエジ…

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