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なぜ人は共産主義に騙され続けるのか
なぜ人は共産主義に騙され続けるのか
ソ連が崩壊して以降も、数は少なくなったが共産主義を信奉し続ける人は存在し続けた。それがまた不思議だった。左翼はウソつきなのか、それとも単に学習能力がないのかという点が当時の関心事だった。正直で頭のいい人は左派にはなれないというレイモン・アロンの言葉を知ったのはその後のことである。
共産主義について、思い浮かぶのはウィンストン・チャーチルの言葉だ。
二十歳までに共産主義にかぶれない者は情熱が足りないが、二十歳を過ぎて共産主義にかぶれている者は知能が足りない。
二十歳までに共産主義にかぶれなかった情熱が足りない者ではあるが、二十歳を過ぎて共産主義にかぶれなかったので知能は足りているかもしれない。正直で頭のいい人は左派にはなれないというレイモン・アロンの言葉も共感できる。
日本では「左翼=反日」と理解されていることが多い。しかし、それは間違いである。
日本の場合、左翼の人権運動は北朝鮮による拉致被害者の人権を無視する。平和運動も、中国や北朝鮮の核開発や軍拡に抗議をしない。反原発運動も、中国や韓国の原発には反対しない。これらに共通するのは、周辺諸国が日本を侵略しやすい状態を作り出す方向に運動が向いていることである。それゆえ、日本では「左翼=反日」と理解されていることが多い。日本人の目につく左翼運動にかかわる外国人は、みな反日勢力に見えるため、外国の左翼も反日的であるとの誤解を持つ保守系日本人は多い。しかし、それは間違いである。日本と欧米の左翼に共通する点は、いずれも自らの属する社会や文化を憎み、その破壊を意図していることである。
この誤解はかなり長い間していた。左翼への理解が浅い所で止まり、それ以上理解したいと思っていなかったのが原因だろう。もっとも「自らの属する社会や文化を憎み、その破壊を意図する」という思考に至ること自体は未だに理解できないが。
左翼運動の構成員
左翼運動の構成員を次の3つに分類している。
1.中核層
自らが属する社会を憎み、それを破壊することを目指す人たち。見せかけの理想を掲げて活動を興し、その活動が社会の破壊に結びつくよう巧みに制御する。良心は無いが知的レベルは高い。
2.利権層
中核層に従うことで、活動資金や仕事(テレビ出演など)を得ることが目的の人たち。
3.浮動層
中核層が掲げた理想に共感する人たち。正義感に基づいて行動するが、いい人と思われたいという虚栄心があることも多い。知識を身に着けると、騙されたと気づいて活動から去る。
この左翼運動の構成員の分類も理解できていなかった。中核層だけをみると日本の左翼=反日なのだが、それ以外の層をみると必ずしも日本の左翼=反日とはならない。金目当てであったり、騙されていたり。知識を身に着け、騙されたと気づいて活動から去った人は左翼に対して攻撃的な立ち位置となり、その手口や矛盾点などを詳らかにしてくれたりもするので、左翼に騙される前に耳を傾けるのが良いかもしれない。
中核層と利権層は不正直で頭のいい人であり、浮動層は正直で頭の悪い人である
正直で頭のいい人は左派にはなれないというレイモン・アロンの言葉に対応させると、中核層と利権層は不正直で頭のいい人であり、浮動層は正直で頭の悪い人である。その複合体が左翼というわけである。
中核層と利権層は侮ってはならない。浮動層は知識を身に着けるように誘導しなければならない。著名人でも浮動層はいるので、啓蒙は大切で騙されたと気づいて活動から去った人もいる。
左翼の欺瞞を示す最も有効な手段
左翼の欺瞞を示す最も有効な手段は、過去の共産主義国家が何をしたかを思い起こさせることである。彼らは、常に庶民(労働者)の味方であると自称したが、過去全ての事例において特権階級が庶民を虐げる社会が生まれる結果となった。おびただしい数の人命も奪われた。その歴史をできるだけ多くの人に直視させることが、共産主義の悲劇を繰り返さないために最も重要なことである。
一番わかりやすい例はカンボジア共産党だろう。クメール・ルージュ、ポル・ポトが何をしたかを突きつけよう。
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