
ごきげんよう。
第2話 表と裏
歴史に残る表と残らない裏。カエサル亡き後の混乱のローマとヴォレヌスの悲哀がどの様に推移していくのか。
アントニウス
執政官として実質的にローマを治めているはずの最高権力者。政敵であるブルートゥスをローマの外に排除して勝利を手にしているはずが、平時の政治には全く無関心で向いていないことが端々から明らかにされていくのは、上手くアントニウスを表現できていると思う。政治家になれない、軍人であることが示されていることがわかるのは脚本が優秀だからだろう。
クレオパトラ
史実ではカエサル暗殺時にローマに滞在していたが、ドラマでは訃報を聞いてローマに駆け付けた形を取っている。そちらのほうがより物語としては都合が良いので、脚本は頑張ったと思う。登場する場面は全てアントニウスと絡むので、今後の関係の発展を見届けていきたい。また悲劇のカエサリオンも登場しているが、本作ではプッロの子となっており、どう転んでも悪い予感しかしないことに暗い期待が高まる。
ヴォレヌス
ヴォレヌスが一か月の間、弔うでもなく、悼むでもなく、茫然自失で喪に服している様は痛々しい。共に居るプッロがお手上げになっているのが以前の関係の裏返しで心を打つ。解決策を軍人であったことに見出したのは良かったと思う。結果として軍人からは程遠い裏へ行き、開き直ってしまうのは危なっかしいが面白い。
オクタヴィアヌス
漸く動き出したカエサルの後継者。アントニウスに見切りをつけ、姉から笑われ、楔となっていた母親から離れ、政治家として立った。パートナーともいえるアグリッパの名前もようやく登場し、カエサル以後のローマがようやく動き出したと印象付けられた。まずは第二次三頭政治に至るまでのオクタヴィアヌスの活躍に期待したい。
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