
ごきげんよう。
第1話 遺言
前編の第12話 カエサル暗殺の直後から。暗殺の場面は嫌いなのは前回も言った通り。その直後からなので気が滅入るのは仕方が無い。判っている悲劇と悲哀を見始めるのをかなり躊躇していたが、踏ん切りをつけた。
カエサルの後継者
正式にオクタヴィアヌスがカエサルの後継者となった場面だ。非常に重要で意義のある場面なのだが、これが有効に機能してくるのはまだ先だ。ドラマの中でもオクタヴィアヌス以外に託せる人物が登場していないからすんなりと受け入れられる。史実では財産はローマ市民に全て与えるので、財産は残さず政治的な後継者指名の遺言なのだが、ドラマでは財産も残る様に改変し、遺言の価値を高める方向に修正している。
ブルトゥス
悪人にも偉人にもなれないブルトゥスはカエサルの葬儀と妥協に同意し、例の演説で民衆からは支持を得らない。暗殺後のビジョンの無さと民衆への無理解と大きな躊躇が如実に描かれた場面だろう。史実ではキンナがカエサル攻撃の演説を始めて民衆から怒りを買うが、ドラマではアントニウスの演説で流れを変えるという描写に変えられているが、妥当な所だろう。
アントニウス
アントニウスは軍事とセックスばかりで政治向きではないのは史実でもドラマでも示され続けている。しかし今回に限っては政治的に上手く立ち回る。その筋書きはオクタヴィアヌスの書いたものであったとしても。遺言で全く触れられていないのは史実と異なるが、後継者に選ばれていないことを端的に示すには触れられない方が判りやすいだろう。
ヴォレヌスの悲哀
物語の二人の主人公プッロとヴォレヌスのその後が気になっていたが、ヴォレヌスの悲哀は予想以上で胸が痛くなるほどだ。一方でプッロは思い人エイレネと遂に結婚し幸せを掴んだ。しかしプッロはカエサル死去の報で即座にローマに取って返してヴォレヌスの下に戻る。本当につらい時に手を差し伸べるのが真の友人だというが、死に際のプッロを助けたヴォレヌス、ヴォレヌスの悲哀に駆け付けたプッロは真の友人だと強く印象付けられた。
クレオパトラ
ドラマではノータッチだが、史実ではクレオパトラはカエサル暗殺当時、ローマに滞在していた。カエサルとの間の子供であるカエサリオンも伴っている。遺言にはクレオパトラもカエサリオンも全く言及されていないので、さぞ失望していたはずだ。ドラマでどのような登場をするか楽しみにしておこう。
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