
(TVアニメ「オーバーロードⅢ」オフィシャルサイトより引用:画像)
© 丸山くがね・KADOKAWA刊/オーバーロード3製作委員会
ごきげんよう。
アニメ「オーバーロードⅢ 第12話」を観た
オーバーロードⅢ 第12話「大虐殺」を観た。
カッツェ平野を舞台に繰り広げられる、対王国へのアインズ・ウール・ゴウンの一方的虐殺を描く第12話
ガゼフとレイヴン候
カッツェ平野で布陣し最終勧告も終わり開戦しているが、王国軍と帝国軍は動かない。そんな中でレイヴン候がガゼフと語りかける。まずはガゼフの装備についてだ。剣はレイザーエッジ<剃刀の刃>。鎧ごとバターのように切り裂けると解説付きで感心しながら、王国に伝わる4つの秘宝を全て身に着けたあなたが王国の秘宝だとまで称賛するのは戦場ということもあり、本気の称賛だろう。なお他の装備は疲労しなくなるガントレット・オブ・バイタイリィ<活力の小手>、常時癒しを得るアミュレット・オブ・イモータル<不滅の護符>、アダマンタイト製で致命的な一撃を避けるガーディアン<守護の鎧>となっている。王への称賛に話は変わるが、そこでレイヴン候は玉座を狙っていたことを告白している。これは原作小説にはない大胆な変更でガゼフに心を開き切ったという演出だろう。その後、父親の顔になったレイヴン候は、王が王子を安全と思われる後方へ下げた親心に共感を見せる。王子を指して親の心子知らずを語るのは寂しさが感じられてよかった。
アインズ・ウール・ゴウン登場
動かなかった帝国軍が割れて、アインズ・ウール・ゴウンが登場する。仮面とガントレットを身に着け、マーレを供に連れているのは前回と同様だが、デスナイト達を引き連れている。原作小説ではさらにナザリック・オールドガーダーとソウルイーターも連れていたことで、王国側へ死の危険を感じさせる役割を担っていたのだが、ざっくりカットされ、デスナイトだけとなってしまったのは残念だ。ソウルイーターはナザリック・オールドガーダーを騎乗させて200ほどいたのだが、レイブン候の配下の元冒険者から3体のソウルイーターで10万人の犠牲が出たと告げられている。この件が無いため、王国側はデスナイトとアインズ・ウール・ゴウンの魔法発動の魔法陣だけで撤退を即断しているのは説得力が落ちてしまっていると言わざるを得ない。脱兎のごとくの敗走が必要だと判断できるのに違和感を覚えてしまう人が多かったのではないだろうか。まぁその判断は正しくも遅かったのだが。
超位魔法イア・シュブニグラス<黒き豊穣への貢>
これを映像化するためにアニメ化したと言われても納得するシリーズを通して最大の見せ場。MYTH & ROIDのオープニングテーマ「VORACITY」の歌詞も明らかに超位魔法イア・シュブニグラス<黒き豊穣への貢>を意識したものになっている。発動させたことで、王国軍左翼に展開していた7万を一凪で殺しつくす演出は圧巻・・・なのだが、如何せん軍勢の描写は難しく、どうしても小規模な部隊程度にしか見えなかったのが残念だ。万単位の軍勢の演出にもう少し力を割り振ってほしかった。
黒い仔山羊
未知の恐怖を掻き立てるグロテスクな登場の仕方をする、多数の口で構成されるカブにも似た四足獣という特異な造形の黒い仔山羊達が5体。ここからが本当の見せ場だ。アインズ・ウール・ゴウンが5体という召喚数の多さを無邪気に喜ぶ様で帝国軍を震え上がらせる演出は良い。一方でマーレは素直に称賛し、ニンブルは震えながらも称賛を口にする。そして黒い仔山羊達が5体による絶望的な大虐殺が展開される。ただ進むだけで兵士達が踏みしだかれ、触手によって宙を舞う様は悪夢と呼ぶにふさわしい光景だ。だた、こちらも万単位の軍勢の演出については不満を覚えてしまう。見せ場だけに残念だ。
ここで殺してはならない4人について。原作小説でも誰なのかは直接は記載は無いが、王国側の主要な登場人物から王、レイヴン候、クライム、ガゼフの4人で間違いないだろう。クライムは白い鎧をそのままでとラナーから注文を受けている点からもナザリック側が保護を約束しているのが窺える。王とレイヴン候はその後の王国への対応で必要と判断したものと考えられる。ガゼフ以外の三人はデミウルゴスに懇願されての対応だからだ。
王の逃亡
王の本陣からは貴族は残らず逃げ出しており、残っているのはガゼフの戦士団のみだ。王と話をしているのも第一期で登場した戦士団の副長だ。その後にクライムとブレインが登場し雰囲気が緩むのは面白い。この絶望的な状況下で有りながら、王を相手に随分な褒美をねだり、クライムに発破をかけるブレインは非常に痛快だ。
ガゼフとアインズ・ウール・ゴウンの邂逅
出陣したアインズ・ウール・ゴウンがガゼフと対面するのは第一期の第三話「カルネ村の戦い」第四話「死の支配者」以来となる。実際にはその後に冒険者モモンとして顔を合わせているが、言葉を交わすのはカルネ村以来で間違いない。ガゼフに黒い仔山羊での攻撃中止を条件に部下になる様に提案し、断られた後もカルネ村での死を覚悟して民を守ろうとしたことを引き合いに出し、配下になることを迫るのはシリーズを通してみている人には心に去来するものがあるだろう。最後の回答はガゼフの意志を通すことになるが、次回を期待させる見ごたえがあるシーンだった。
この記事へのコメント