
ごきげんよう。
ゴッド・ファーザー
ゴッド・ファーザー
コッポラ監督の代表作品にして不朽の名作。
アメリカで活動するコルレオーネ一族はシチリア人家族で組織犯罪を運営している所謂マフィア。その血なまぐさい盛衰が描かれている。
いびつな家族
家族の結びつきを描いているが、マフィアであることを忘れてはいけない。好き好んで暴力を行使しているにも関わらず自身に暴力が及んだ時だけ悲劇ぶるのは滑稽であり自業自得だろう。その自業自得を踏まえた上でマフィアを裏家業と定義してそこから脱却を試みるという視点については一定の納得と同意ができる。息子が裏家業と表稼業をそれぞれ進もうとしているのを父親としてゴッド・ファーザーとして受け入れているというのは興味深い。
自己定義と他者定義
ゴッド・ファーザーとしての人から要望を聴いているとき「我々は殺人者ではない」と定義しつつも他者からは殺人を依頼される。穏便に事を勧めたいと希望しながらも身内を殺される。自己定義は必ずしも現実に即しているとは限らない。現実に合わせる形で変わらざるを得ないものだろう。
イタリアン
とにかく身内で集まる。集まると歌って踊る。挨拶がわりに抱き合う。隙あらばタバコと酒。飯は美味そう。シチリアマフィアとはいえ、イタリアン要素というのか、ステレオタイプともいえるものを存分にぶち込んできている。素直に受け入れるべきだろう。
殺しの作法
大人数で対面して礼儀正しく挨拶を交わした後は素直に撤収する。一方で一対一で会うとなると殺意が高まる。抗争中は作法無用で殺しにかかる。ルールがあるようで結局は無い。
起承転結の心地よさ
ゴッド・ファーザーは起承転結がかなりしっかりと行われている印象だ。心地よさすら感じるほどだ。物語の手本の一つとしていいだろう。映画として非常に面白い。おすすめ。
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