小説「幼女戦記 (3) The Finest Hour」を読んだ
ごきげんよう。
小説「幼女戦記 (3) The Finest hour」を読んだ。
内容の概要については目次をご覧いただきたい。
まず、「ひらけ、ゴマ」ではローマに対するハンニバルのカンネーの戦いを彷彿とさせる戦略的な金字塔を打ち立てるという、最初からクライマックスの展開となっているので、是非とも楽しんでもらいたい。
それ以後については、ある特定の固有名詞が頻出する。「ダンケルク」だ。書籍内の解説でも取り上げあれているが、事前に詳細を知っておいたほうが物語への理解も深まると思う。概要としては、第二次世界大戦時にドイツ軍の侵攻から、フランス・ダンケルクからあらゆる船舶を総動員した英仏軍のイギリスへの撤退作戦。後のドイツ軍が敗戦したのは周知のとおりだ。
2017年の映画に「ダンケルク」があるので、そちらをご覧になるのもよいと思う。
その後の南方戦役には島津の関ヶ原からの敵中突破(島津の退き口)が引用されている。捨て奸(すてがまり)の戦法が使われ、島津義弘が撤退する際に甥の島津豊久ら多くの犠牲を出しながらも生きて薩摩に戻ったのは際立った挿話として有名なので、こちらも知っておくと良いだろう。平野耕太のドリフターズ1巻の冒頭の話といえばご存知の方も多いかもしれない。
ということで、過去の著名な戦史を知っていれば、より楽しめる内容となっているので予習しておくと良いかもしれない。架空戦記の楽しみ方としては露骨だが全うだと思う。
著名…